◯◯線の車内は空いていた。
車内にはサラリーマン、学生、O Lなど
様々な人が乗っていた。
その中に、ひときわ小柄なおっさんがいた。
背は155cmくらい。体重も軽そうである。
目がパッチリしていて、年齢は50歳くらいだろうか。
出口を選んでいるのか、軽快な足どりで
車内を行ったり来たりしている。
そして、私が立っていた付近の出口で止まり
次の駅への到着を待っていた。
男は歩き回り疲れたのか、目をつぶりながら
到着を待っていた。😞
「次は◯◯駅です。◯◯駅到着です。」
車内アナウンスが流れた。
電車がホームへ入り、停車した。
次の瞬間、私の目にとんでもない光景が飛び込んできた!!
ホームで電車を待つ乗客の先頭に、
いわゆるその筋系の男(ヤ◯ザ)が立っている。
男は角刈り(ボウズに近い)、黒いサングラスで
ダブルのスーツで身を固めている。
身長は180を超え、体重も100キロ近くあるのでは
ないか。
年齢は比較的若そうだ。
柔道あがりの、若手バリバリヤ◯ザといった感じである。
およそ一般人では放つことのできない
威圧感を発している。
電車の扉がゆっくりと開いていく。
小柄なおっさんは、眠そうな目をしながら
ホームへ出ようとした。
するとヤ◯ザは、降りる客を無視して
強引に車内へ乗り込んできた。
「ドン!!」
ヤ◯ザと小柄なおっさんは、交わってしまった。
衝突する巨体と小体。
振り返るヤ◯ザ。
振り返る小男。
交錯する互いの瞳。
私はおっさんの表情を見逃さなかった。
まるでバケモノをみるような顔をしていた。
しかし、その後の小男の動きは人間離れしていた。
バケモノを確認すると、瞬時にホーム方面へ
視線を写し下車を試みた。
バケモノを見て、ホームへ振り返るまで
たぶん約0.5秒くらい。
とてつもなく早い、首の動き。
一瞬で緊急事態を察知し、
最善の策をとろうとしている小男。🚨
しかしバケモノの動きも速かった。
ホームへ急ぐ小男のけつに蹴りをいれた。
小男はホーム上へふっとんだ。🌪
しかし、私は神の技を目にすることとなる。
小男はふっとばされた勢いを逆に利用し、
トップスピードのまま姿を消していった。
一度も振り返ることなく・・・
私の頭には、”ロケット噴射” という言葉が
浮かんでいた。🚀