♨️風呂太郎のおもちゃ箱🤖

玉金レボリューション✨

【過去の記憶】笑う男

コンビニでアルバイトしていた時の話。

 

 

あるアルバイトが、ひとり辞めることになった。

その後任として、その男は入ってきた。

 

 

 

 

 

 

まず第一印象から、おかしなものを感じていた。

とにかく愛想がない。

 

 

 

はじめて会ったときの挨拶は、

 

「お願いします。」

 

名前など一切言わず、真顔でこれのみ。

 

 

 

 

緊張や照れなどではない、なにか異様なものを

感じさせられた。

 

 

 

 

 

 

私は、その男とシフトがかぶることも多く

よく仕事を教えていた。

 

 

しかし、何を言っても返事をしない。

軽くうなづくだけで、理解したかどうかも

よく分からない。

 

 

 

 

ひまなときには、私から話しかけることも

あった。

 

私:「◯◯さんは、コンビニ経験とかあったんですか?」

 

男:「・・・一応。」

 

私:「休みの日は、何してるんですか?」

 

男:「・・・・。」

 

 

 

そんな感じだったので、私もだんだんと

話かけなくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

あるとき、男に仕事を頼もうと思ったが

姿が見当たらない。

 

 

どこにいるか探していると、レジから離れたところで立っている。

 

 

手には、ポテトチップスの袋を持っている。

商品の並び替えでもやっているのかと思ったが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よくみると一人で笑っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑う男のななめ前には、OLがいる。

OLは笑う男に気づき、警戒しながら

様子を伺っている。

 

 

そして笑う男の前方では、防犯カメラが

笑みを録画している。

 

 

 

 

私を含め、3方向から警戒されているが

気づかずに笑い続ける男。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるとき別の後輩と話すことがあった。

彼は深夜に、笑う男と一緒に働いている。

 

 

様子を聞いてみると、

後輩:「あいつ、笑ってますからね。」

 

 

 

 

どうやら深夜も笑い続けているようだ。

 

 

 

 

後輩:「あいつ俺にレジやらせて、ほとんど控え

    室にいるんすよ。」

 

 

私:「控え室でなにやってんだ?」

 

 

後輩:「笑ってんじゃないんすか。」

 

 

 

 

 

 

 

あるとき、ムカついた後輩は

控え室に男を呼びにいったらしい。

 

 

 

 

 

男は、グーグーと寝ていた。

 

 

 

 

 

そのねずらにムカついた後輩は、

手元が滑ったていで、積んであったダンボールを

男になぎ倒したらしい。

 

 

 

 

 

 

私:「あいつ、キレなかった?」

 

 

後輩:「キレましたよ。キレて後の仕事は全部

    おまえやれとか言ってましたよ。

 

    まあその後、また一人で笑ってましたけ

    どね。・・」